移動平均線

移動平均線とは?

移動平均線とは、相場参加者たちがある一定期間に売買した価格を平均化したものです。

平均価格(通常は終値の平均)を使用することで日中の大きな変動に惑わされることなく、現在の相場の方向性(トレンド)がどちらを向いているのか(上がっているのか、下がっているのか)を確認することができます。

この移動平均線はテクニカル分析の中で最もポピュラーで基本的な分析手法となっています。「平均値」を見ることで、相場のトレンドが捉えやすくなります。

誰もがシンプルに相場状況を判断できる、大変便利なツールです。

移動平均線の見方・使い方

トレンドラインと同様に相場のトレンドを掴むためにみんなが参考としているのが「移動平均線」です。

一定期間の価格の平均値を繋ぎ合わせた折れ線グラフの移動平均線が右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下落トレンドと判断します。

その他、トレンドの強弱(買われているか、売られているか)を判断するためのテクニカル指標としても使えます。

この場合、ローソク足と移動平均線の位置関係が重要となってきます。

現在の価格(レート)が移動平均線の「上にあるか」「下にあるか」によって、現在のレートで投資家に買われているのか、売られているのかを確認することができます。

ちなみに、移動平均線の計算式(単純移動平均)は以下のとおりとなっています。

直近の終値+1本前の終値+2本前の終値・・・+(N-1)本目の終値)÷N

(例)5日移動平均線の場合 

5日移動平均線 = (当日終値+前日終値+2日前終値+3日前終値+4日前終値)÷5

期間は設定によって自由に変更することが可能で、投資期間に合わせて線を使い分けるのが一般的です。

一般的に使う移動平均線の日数

日足チャート:5日・10日・25日75日・200日
週足チャート:9週・13週26週・50週
月足チャート:6ヶ月・12ヶ月24ヶ月・60ヶ月

短期線と長期線の2本を組み合わせるか、もしくは短期線と中期線、長期線の3本を組み合わせるパターンが、普通は多いです。複数の期間のものを組み合わせることにより、重要なシグナルを判断することができます。

移動平均線を使った分析手法としては、移動平均線と値動きの位置関係に注目した「グランビルの法則」が有名です。

グランビルの法則は、簡単に言えば移動平均線に対して株価の位置が近づく、離れる、交差する、3つの点で買いか売りを仕掛けるというものです。(内容の詳細については、以前にまとめたグランビルの法則の記事を参考にしてください。)

この他には移動平均線の使い方として、

  • 支持線・抵抗線としての移動平均線
  • ゴールデンクロスとデッドクロス
  • 移動平均乖離率

といった活用方法があります。

支持線(サポートライン)と抵抗線(レジスタンスライン)

移動平均線のラインの動きには、投資家の心理状態が隠されています。トレンドラインで見られたような重要な節目としての意味合いを持っています。

ある水準に達すると下降が止まる効果を持った移動平均線を「支持線(サポートライン)」と言います。その逆に、水準に達すると上昇が止まる効果を持った移動平均線を「抵抗線(レジスタンスライン)」と言います。

もし、その支持線や抵抗線を突き抜けた場合には、価格が大きく変動する可能性が高まります。

支持線として機能していた移動平均線を価格が割り込んでしまうと、「もっと下がるかもしれない」という不安感が強まり、一気に下がる可能性があります。そして、抵抗線として意識されていた移動平均線を価格が越えると、「視界良好」といった見方につながり、上げ幅を拡大する可能性があります。

いずれも投資参加者の意欲と不安を素直に表わしたものだということが言えます。

ゴールデンクロスとデッドクロス

移動平均線で示される売買サインとして有名なものにゴールデンクロスデッドクロスがあります。

  • ゴールデンクロス(買いサイン):短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上へクロスする
  • デッドクロス(売りサイン):短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上から下へクロスする

ゴールデンクロスとデッドクロス

ダマシには要注意!

「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」をはじめ、移動平均線ではサインが表れたら売買タイミングがすぐにやってくるというわけではありません。必ずしもこれらのサインがすべて正しいとは限らないので注意が必要です。

サインには本物ではない偽物、ダマシが含まれている場合があります。というのも、2つのサインはとくに有名で予想がしやすいため、相場の裏をかいて利益を獲得しようという逆の流れが同時にできることがあるからです。

また、移動平均線は大きなトレンドが出る、いわゆる「大相場に強い」といわれていますが、その一方で相場の方向性がはっきりしない「もみ合い相場に弱い」ということが挙げられます。この相場状況では、ダマシが頻発しますので、特に気をつけてください。

移動平均線の弱点

トレンド系チャートの代表格として、多くのトレーダーに愛用されている移動平均線ですが、普通に利用されている移動平均線は厳密には単純移動平均線(SMA)というものです。

この移動平均線には弱点があります。

それは、価格の変動に対して移動平均線の反応が遅れ、シグナルの表示に必ずタイムラグが発生することです。常に値動きを後追いして変動するので、相場に先行することがない指標だからです。

そのため、移動平均線には“タイムラグ”という弱点を克服しようと試みたバリエーションが存在します。

加重移動平均線(WMA)は、平均値を算出する際に最新のデータを最も重視し、古いデータほど影響度が少なくなる様に比重を掛けて計算します。指数平滑移動平均線(EMA)は、さらに直近の比重を高めてタイムラグを低減させた移動平均線の発展型です。

直近の価格に比重を置いている分、この2つは単純移動平均線と比較して値動きに敏感に反応するため、トレンドの転換を早めに確認することができます。

移動平均線を使いこなそう

移動平均線はテクニカル分析の代表的とも言える指標ですが、絶対的な指標ではありません。

ですが移動平均線の知名度は高く、数多くの投資家が実際に利用しているため、移動平均線を絡めた売買ポイントの通りに価格が動くことが少なくありません。そのために、移動平均線を正しく理解することは勝てる投資家への第一歩とも言えます。

短期投資においては、とくに価格の短期的な値動きを推測して売買することが必要となってきます。

その際に値動きを読むテクニック、すなわちチャート分析を身に付けるには、基本的には移動平均線トレンドラインローソク足という3つのツールを押さえれば分析できます。

なので、これから株やFXで売買したい、勝ちたいのであれば、是非これらの見方や使い方は最低限マスターしておきたいものです。

相場の流れやトレンドの転換点を見つけるのに最適です。また、移動平均線の向きとローソク足との位置関係から、最適な売買サインを見つける判断材料として使うことができます。

単純に作業であれば効率化を図ればいいですが、判断というのは他人任せにできるものではありません。

移動平均線トレンドラインローソク足という3つのツールを使いこなすことができるようになれば、あなたのトレード技術は確実に向上し、チャートを読むのが楽しくなってくることでしょう。自ずと勝率や戦績もあとから付いて回ってきます。

何より色々なツールやサインをみても、まわりに振り回されることなく、あなた自身が納得のいく取引ができるようになるかと思います。