FX初心者にやさしい「フィボナッチ数列」

フィボナッチとは

フィボナッチとは、イタリアの数学者のレオナルド・フィボナッチが唱えた「フィボナッチ数列」のことです。

「連続した2つの数字の和がその上位数になる」「どの数もその上位の数に対して0.618倍となり、どの数もその下位の数に対して1.618倍となる」などの法則があります。

フィボナッチ数列

多くの不思議な性質を持つこの数列。

フィボナッチ数列の「連続した2つの数字の和がその上位数になる数列」とは、具体的に書いていくと 以下のとおりです。

1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, …

ここに現れている一つ一つの数がフィボナッチ数です。

この数列を見ていくと

1番目の数と2番目の数の合計が3番目の数
2番目の数と3番目の数の合計が4番目の数
3番目の数と4番目の数の合計が5番目の数

となっていて、隣り合う2つの数を合計すると、次の数になることが分かります。

そして、フィボナッチ数列の隣同士の項は、必ず互いに素です。「素」とは、2つの整数が1以外の共通の約数を持たないことを言います。

公式など、本来は大事なものなのでしょうが、文系の人たちにとっては到底、理解し難いものです。ここでは省略させていただきます。

フィボナッチ数列と黄金比

この数列がなぜ有名なのかというと、さまざまな使い道があり、自然界の至るところにこの数列を見出すことができるからのようです。

フィボナッチ比率は、自然界や歴史的建造物・芸術作品にも存在しています。

  • ひまわりの種の並びは螺旋状に 21,34,55 個となっている
  • 多くの花の花びらの枚数は 3,5,8,13,21 枚になっている

など、自然界で数多く見かける特殊な数となっています。

このほかにも、

  • 松ぼっくりやパイナップルのかさ
  • オウムガイの貝殻
  • 孔雀の羽
  • 木の枝の伸び方

といったものにフィボナッチ数列を見ることができます。

フィボナッチ数列と黄金比

フィボナッチ数列の隣り合う比をとっていくと、黄金比(1.61803)に近づいていきます。

この黄金比とは世の中で最も美しいと言われている比であり、世の中の芸術や紙幣、企業のロゴデザインにまで幅広くみられます。

  • ピラミッド…ピラミッドの側面にある三角形の高さと底辺の半分の長さの比は黄金比
  • パルテノン神殿…神殿を正面から見ると、縦と横の比はほぼ黄金比
  • ミロのヴィーナス…均整のとれたプロポーションの彫像には、身体の様々な部分に黄金比を応用

など、古くからの建造物にも「黄金比」が関わっています。

黄金比はデザインの世界でも意識され、使われています。

Appleのリンゴマークに黄金比が用いられているのは有名ですし、GoogleTwitterのロゴなんかも実は黄金比でできていたりします。

人間がもっとも美しいと感じる比率とされており、それだけ人間を惹きつける何かが、この黄金比にはあるということなのでしょう。

フィボナッチを使ったFXトレード/使い方の基本

黄金比は自然界や美術の世界だけの話ではありません。ふだん黄金比をあまり意識することはないと思いますが、黄金比は常に身近なところに存在しています。

このフィボナッチ数列を比率化したものが黄金分割比率であり、相場の世界においてもテクニカル分析の手法の一つとして応用されています。

基本的な使い方としては、

  • フィボナッチ・リトレースメントで、押し目のロング・戻りのショートを狙う
  • フィボナッチ・エクスパンションでイグジットポイントを探る

というのが、みんながよく知っている使い方です。

トレンドが発生した時こそフィボナッチ比率は働きやすく、トレンド転換の参考に使われることが多くあります。なお、フィボナッチは、トレンドが発生する前ではなく、トレンドが発生した後に引きます。

フィボナッチ・リトレースメント

「フィボナッチ」を使うと、押し目戻しがどこで発生するか、予測がしやすくなります。

フィボナッチ・リトレースメントは上昇相場における押し目、下降相場における一時的な戻りの目標価格を判断する指標として使われています。

具体的には、フィボナッチ比率に基づいた「23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%」の比率に注目すると、相場の値動きが読みやすくなります。

フィボナッチリトレースメント



ちなみに「フィボナッチ」は、ほとんどのFX会社のチャートに標準装備されています。安値から高値を結んでラインを引くと、5つの比率は自然に表示されるようになっているものがほとんどなので、自分でわざわざ計算して引く心配はありません。

このフィボナッチ・リトレースメントでは、フィボナッチ数列から導き出された 23.6%38.2%61.8% という数値を重要視しています。これらの比率が不思議と、為替レートの抵抗帯支持帯として働くことが多いからです。

  • 上昇トレンドのときは高値からの38.2%押し、50.0%押し、61.8%押しが押し目買いの参考水準
  • 下降トレンドのときは安値からの38.2%戻し、50.0%戻し、61.8%戻しが戻り売りの参考水準

として活用されています。

強いトレンドの場合は、38.2%前後の戻りにとどまり、弱いトレンドの場合は、半値戻し50.0%前後又は61.8%前後まで戻ります。それ以上戻った場合には、このトレンドの起点となったポイントまで全て戻るという考え方が一般的です。

フィボナッチ・リトレースメントが示すこうした「節目」の近辺には、新規の売買注文や損切り注文が 集中しやすくなる、ということでエントリーポイントを探ることができます。

なお、フィボナッチリトレースメントの前提として、高値と安値を正確にとらえることで機能するツールとなっています。

フィボナッチ・エクスパンション

フィボナッチ・エクスパンションは、トレンド発生時に、調整後の次の動きの目標がどこなのかを示してくれるテクニカルです。

具体的には、調整前のトレンドの値幅に対して、調整後のトレンドの値幅を61.8%100.0%161.8%として、目標ラインを示してくれます。

このフィボナッチ・エクスパンションはイグジットポイントを探るのに使います。

その他のフィボナッチ系テクニカル

FXで使用するフィボナッチには、他にも以下のようなものがあります。

  • フィボナッチ・タイムゾーン
  • フィボナッチ・ファン
  • フィボナッチ・アーク

興味がある方は、この機会に是非勉強してみるといいと思います。

チャートも美しさを意識!? 黄金比率を利用した「フィボナッチ分析」

「フィボナッチ数列」が相場で有効に機能しやすい背景とは、一体何なのでしょうか。

この理由は明確に証明されたものがあるわけではありませんが、やはり黄金比が深く関係していると考えられます。

相場はトレーダーの心理で動くものです。そして、フィボナッチ比率は人間の心地良い心理状態を表したものです。

つまり、無意識のうちに黄金比で取引判断をするトレーダーが多くいるため、多数決で動く相場も黄金比にしたがって動きやすくなるということです。

チャートは、投資家心理が作り上げたものなので、自然の摂理が働いているともいえます。

ですので、自然界や芸術作品にも使われているこのフィボナッチ比率で、価格が反発したり、反落するということは、ごく自然なことなのです。

結論としては、「トレーダーは黄金比にしたがって、無意識で取引しやすい。」ということなのだと思います。

大多数が見て、美しいと感じる価格、いい頃合いと感じやすい価格帯が、黄金比の割合だけ価格が上昇したり、下降した時というわけです。

他にはフィボナッチ自体がトレーダーの共通認識となっていて、利用者が多いということも関係しているのでしょうが、いずれにしても、フィボナッチがこの先も機能し続けることは間違いありません。

フィボナッチは同じトレンドで何度も意識される

「フィボナッチ分析」は、トレンドが発生した時の高値安値の値幅に対して、どれくらいの割合で逆行したか(押し/戻しが発生したか)を分析する方法です。

ある比率が支持帯抵抗帯として一度機能すると、トレンドが継続する限り、その比率が何度も機能するようになります。

  • 強いトレンドは23.6%と38.2%を意識する
  • 比率50.0%と61.8%で反転したら高確率でトレンド転換

まずは、前日の安値と高値を目安にフィボナッチを引いてみましょう。

最初から精緻にフィボナッチを引こうと考えず、とりあえず引いてみることが大切です。

過信は禁物!

正しい使い方を仮にしていたとしても、相場に絶対はありません。

フィボナッチ分析は世界中のトレーダーが使用している信頼性の高いテクニカル手法ですが、正しい引き方をしても機能しないことは当然あります。

フィボナッチのラインがあっさりとブレイクされることもよくあることです。

取引をする際はそういった事態も想定しつつ、損切りのシナリオも含めて戦略を立てる必要があります。

もし、フィボナッチが機能しない場合には即手仕舞いするのが賢明です。

トレードにフィボナッチを活用しよう!

フィボナッチはいろんなテクニカル分析と相性がよく、新たに取り入れやすいテクニカルだと思います。

フィボナッチ数列のテクニカルをまだ使ってない人は、その有効性をきちんと理解できていない人ではないでしょうか。

なぜフィボナッチがFXで有効に機能するのか、その理由とともに使い方を学ぶのが良いかと思います。

チャートは、投資家の集団心理で形成されているため、フィボナッチ数列のような自然の摂理が働くと考えられています。それゆえ、フィボナッチは、多くの投資家が注目しているテクニカル手法です。

実際の取引では、損切りは小さく、利食いは大きくなるようなところで取引をすることが、利益を残していくためには必要となります。

そのためには、エントリーと同時にOCOやIFOを利用して利益確定・損切りの指値注文を出すことです。38.2%で売りエントリーをした場合は、フィボナッチ23.6%で利益確定、フィボナッチ50.0%で利益確定注文を発注します。

もしあなたが、こういった上手な使い方を覚えれば、今よりも確度の高いトレードができるようになります。押し目や戻りのポイントを判断する習慣が自然と身に付くようになります。

なお、フィボナッチは素晴らしいテクニカル手法なのですが、前提として、トレンドの方向性がわかっていることが必要です。レンジ相場など、トレンドがわからない状況で使ってもあまり役に立ってくれません。

ぜひしっかりと勉強して、実際の取引に活かしていただければと思います。