FX初心者にやさしい「損切り」

損切り(ロスカット)で損失の拡大を防ごう

損切りとは、保有株式等を売却して損失を確定させることで、ロスカットとも呼ばれています。

株式先物取引外国為替証拠金取引(FX)といった相場、不動産投資などで含み損が生じている投資商品を見切り売りして損失額を確定させることです。

購入した株式などの価格が下落して、その後の回復が見込めないと判断できるケースでは、損切りが有効な手立てとなります。

そのまま保有し続けた場合、更に価格が下落して損失額が膨らむ可能性もあるため、損切りをして損失額を確定させることで、それ以上損失が膨らまないようにすることができます。

結局は、ひどくならないうちに早めに対応するということです。

一定以上の損失を防ぐロスカット(強制決済)

ロスカットとは、ポジションの損益がある一定レベルに達したとき、更なる損失の拡大を未然に防ぐために、対象ポジションを強制的に決済する制度のことを言います。

通貨ペアを保有し、一定の証拠金維持率になると、自動で保有中の通貨が決済されてしまうわけです。なお、強制ロスカットの対象となる証拠金維持率(ロスカットルール)はFX会社によって違います。

≪証拠金維持率の計算方法≫ 

時価評価総額 ÷ 必要証拠金 × 100 = 証拠金維持率

※証拠金維持率とは、時価評価総額に対する必要証拠金の割合のこと

ロスカット(強制決済)が執行されると、自動的に保有しているポジションは全て決済されます。これによって、基本的には証拠金以上の損失は発生しません。つまり不足金が発生し、その資金を追加で用意することがないような仕組みとなっています。

ただし、為替レートが急激に変動した場合には、実際に執行されるレートが、ロスカットの水準から大きく離れてしまうことがあり、その場合には、預け入れた証拠金以上の損失が発生することもあります。(「不足金」を追加で支払う必要があります。)

絶対に避けたい証拠金不足とロスカットにならないためには、

  • 資金に合わせたポジションを持つ
    必要証拠金をギリギリまで使用してポジションを持つのではなく、余裕を持った状態で取引をする。
  • あらかじめ損失のラインを決めておく
    どの程度、損失が発生したらポジションを決済するかを予め決めておき、損切りのラインに併せて決済注文を入れる。
  • 十分な資金を入金しておく
    FX口座に入金を行うことで、純資産が増えるため、証拠金維持率が上昇します。

といった対応が必要となります。

当然、強制的にロスカットとなる前に、手動でロスカットする方(損切り)が賢明です。

「損切り」を理解する

「損切り」とは、損を承知で決済して、取引を終えること。その目的は、早めに手を打って傷が深くなるのを防ぐことです。

投資をしていれば、損が出ることもあります。プロでも全戦全勝はない訳ですから、何度か負けてしまうのは仕方ないことです。

大切なのは、1回の損を小さくして利益の額を大きくすることです。そのためには、損が出たときにどう対応するのかが重要となってきます。

最悪なのは、「もう少しだけ待てばまた戻るかも?」と思っているうちにズルズルと損失が拡大し、手の打ちようがなくなってしまう状況に陥ることです。

損失確定に失敗して大きな損が出るのが本当の「失敗」です。

実際に売ると大きな損失が出てしまい、売らなくても含み損を抱えているので資産は目減りします。

損失確定のタイミングを誤ると、損を確定させるにしても、含み損のまま持ち続けるにしても、大きな損が出てしまうことは避けられません。

FX会社が自動でおこなうロスカットは、証拠金の大半を失う強制決済です。この事態を避けるためにも、証拠金には余裕のある取引を心がけ、レバレッジを高く設定しすぎないようにすることも大切です。

早めに手を打ち、リスクは自分でコントロールしていきましょう。

【損切りのメリット】

  • 今後値下がりした場合、含み損が拡大するのを防ぐ
  • 資金効率がよくなる(機会損失を防ぐ)

【損切りのデメリット】

  • 売却した銘柄がその後値上がりし、得られたはずの利益を得られなかったこと(機会損失)

一時的な撤退のために、明確な根拠を持って早めの損切りを行うことは、損失の拡大を防止し大事な資金を守る方法としては最善の策であり、トレードの基本でもあります。

損切りできない心理

損切りができないのは、初心者によくある典型的な失敗パターンです。

売りの技術(タイミング)は買いの技術よりも難しいと言われていますが、初心者が損切りできないのは

  • 損失を確定させたくない、損失回避の方向に流されてしまう
  • 自分の誤りを認めたくないプライドがある
  • 根拠のない期待を抱いてしまう

といったことです。

この根底には、人間の持つ深層心理というのが関係していると思われます。

プロスペクト理論の罠

プロスペクト理論とは、損失は認めたくないが、利益は確実にしたいという欲求のことです。これは人間の心理として、避けることのできないものです。

「損をしても、いつかは回復するだろう」「今、値段は下がっているが、そのうち値上がりするだろう」といった投資家のなら誰もが持っている期待心理です。

この結果、損切りが大きくなり、利益が小さくなっていきます。利食いは早く、損切りは遅くなるのもこれが理由です。

初心者はまずは損切りを覚えること!

昔から「投資が上手い人は損切りの上手な人」だと言われています。

相場の世界では、生き残ることが一番の投資法、損切りを学んでこそ勝てる投資家になることができます。

投資のプロは損切りは利益を上げるための“必要経費”という考え方をするので、一切迷うことなく損切りを行います。

損切りしない弊害というのを、よく熟知しているからです。

それは「損切りができなければ市場から去りゆくのみ」ということ。

含み損をそのまま放置していると、損失の額によってはまともな思考を失い、相場観が狂い、そして最後には決して後戻りできないような大損失を抱えてしまうことを知っています。

投資の世界で「損切りできない人」は、最終的には生き残れない。破産する、とまで言われます。

ですので投資資金は、生活資金や将来のための資金ではなく、完全に余裕のある資金のみを投資に充てる、ということが盛んに言われてきました。万一のとき、0円になっても構わない金額しか投資しない、ということが重要視されてきたのも、こんな背景があったわけです。

ストップ注文を活用する(限界点を決める)

損切りを抵抗なくできるようになることが、FXで勝つための近道です。

そのためにストップ注文(逆指値注文)を設定するのも一つのやり方です。

損切りラインの目安をあらかじめ定めて、“○円以下に下落したら自動で売る”という「逆指し値」注文をエントリーと同時に入れるという方法です。

事前に保有している資金量を考慮し、許容範囲と容認できる損失の見込額を算出して、含み損がその額に達したらポジションを清算する損切りの手法です。

このストップロスを置くことによって、一取引あたりのリスクや損失を一定以下に抑えることができます。

初心者が利益を上げるために、いわゆる「塩漬け」を回避して、効率的な資金運用が可能となります。

なお、直近の目立った高値・安値を超えるポイントや、オプション取引に絡む注文が集中するキリの良い価格付近には多くの投資家がストップロスを置くため、その価格帯に達した相場は損切りの反対売買を誘発して動きを加速する(いわゆる「ブレイクアウト」の発生)場面がしばしば見られます。

トータルで勝つことを意識する

取引する際には、負けないことよりも、トータルで勝つということを意識してみてください。

トレードを行う一番の目的は「資産を増やすこと」です。なので、「増やすこと以上に減らさないこと」が大事になってきます。

そのための損切りです。

FXで負ける典型的なパターンというのは、

  • 損切りできずにコツコツドカン
  • 損切り貧乏

というのがよくあるケースです。

小さく負けるが勝ち!

勝つことももちろん大事ですが、負けた時の「損をできるだけ小さくする」ことができれば、トータルでプラスを狙うことができます。

損切り貧乏を抜け出すための方法

損切りできないよりも損切り貧乏の方がいいと言われますが、損切りばかりしていると本当に嫌になってきますよね。

損切りができないと勝てるようにならない、と言われたから損切りしているけど一向に勝てるようにならない。損切りしすぎて資金がどんどん減っていくのです。

「本当にこのままでいいのか?」「これで勝てるの?」と不安にもなります。

損切り貧乏に陥る理由としては、

  • 1回の損切り額が大きい
  • 損切り額が小さすぎる(損切り幅が狭すぎて、すぐ損切りとなる)
  • 理由のない損切りを行っている
  • エントリーが多い
  • そもそもエントリーのタイミングが間違っている

といったことが考えられます。

損切り貧乏になる人の傾向をみてみると、短期での利益を求めすぎているような感じがします。

短期的な負けは気にしない。短期的には負けてもトータルで勝てればいい。
大きく負けないことが大切です。

まずは、チャート分析をマスターしてエントリーポイントを絞るようにしてみてはどうでしょうか。

損切り貧乏になっているということは、根拠のないエントリーや根拠の弱いエントリーをしている場合があります。

エントリーポイントを絞って、損切り回数を減らしていきます。自分の得意なパターンを探して、勝てるポイントだけを狙っていくようにします。

塩漬けポジションは解消する

損を確定させることができず、売るに売れない状態や株のことを塩漬け状態塩漬け株といいます。

塩漬けはもともと、株価が下落してもそのままにしておくことで、カブ(蕪)を塩に漬けておくに掛けてそう言われてきました。

相場の世界では、損切りができず、長期にわたって塩漬けにする人たちというのが後を絶ちません。

これも「価格はまた上昇するだろう」「損をしたくない」という投資家の期待心理(欲望)の表れです。

「含み損のまま保有していれば、損失は確定しない」とか、「損切りしない限り、実際に損はしない」と言う人もいます。確かに、損切りしなければ実際に損はしません。

ですが、株価が買値の3分の2あるいは半分にまで下がると、短期間での回復はほぼ絶望的です。こうなってしまうと、塩漬け株は投資としての幅を狭め、資産の効率的な運用にとって障害となってしまいます。

そんな現状を打破し、塩漬け株から利益を生み出す方法としては、思い切って今の値段で損切りし、他の投資に回したほうが、将来に向けてよほど有利な運用ができるということです。

損切りしないナンピン買い

ナンピン買いというのは、価格が下落した水準で「買い」を入れて平均取得単価を引き下げる手法です。

平均取得価格が低くなることで、その後の上げ幅が少なくても、利益が出るようにすることを狙ったものです。

ただし、このナンピン買いは資金に余裕がない人や、長期投資・長期保有するつもりがない人におすすめはできません。ナンピン買いをしていいのはベテランの投資家で、資金に余裕があり、中長期で少しずつ買い足してトレードしていくと決めている場合のみです。

ナンピン(難平)は、相場の回復が確実に見通せなければやるべきではありません。損失を重ねるだけです。「下手なナンピン、スカンピン」という格言があるとおり、初心者はやってはいけません。

相場の流れを読む先見の明とトレード技術が伴わなければ、損失が膨らむ可能性大です。

損切りを徹底する

FX仮想通貨などのトレードでは「損切り」のテクニックは極めて重要です。

多くの投資家が損切りできないことで、退場に追い込まれたり、上手く資金を増やせずにいます。

損切りを行えば、確実に次のトレードチャンスに向けて資金を残すことができます。

なので、プロは損切りをきちんとルール化しています。

損切り(ロスカット)のルールを設けると、投資の中で重要とされている資金管理が自然と実践できるようになります。

  1. 損切りルールを作る
  2. 損切りルールを守る

明確な損切りルールをを決めたら、今度はそれを必ず守らなければなりません。作った損切りルールは しっかりと守れるか否かで、利益を上げられるかどうかが決まってくると言っても過言ではありません。

なお、損切りの目安としては

  • 損失額
  • 損失率(値下がり率)
  • 一定期間が経過
  • 当初の思惑が外れたとき

といったことが考えられますが、あなた自身にあった最適なものを選択するのが良いでしょう。重要指標の発表前や土日にはポジションを持たない、というのも損失を大きくしないひとつのルールになるかと思います。

なお、損切りの大原則として、

【エントリーの理由が消滅したら決済する】

ということがあります。

トレードをする際には、エントリーを行う前に、チャート分析やテクニカルを使って事前に利益を上げるための計画、シナリオを作成するはずです。

「こういう理由で、ここでエントリーする。」
「エントリーした場合、ここまで損がでたらこういう理由で損切りする。」
「計画通り利益が出てきたら、こういう理由で決済する。」

といった具体的な計画、シナリオの内容が重要となってきます。

ですから、事前のシナリオ通りに

など、逆指値注文などを使い自動決済される場合は大丈夫です。

ですが、損切りは予想したシナリオに合わない相場の値動きをしたときには、すぐに行ってください。

損失を先延ばしにする投資行動を取ってしまう最大の敵は「損をしたくない」という心理的抵抗からなのですが、根拠のない期待のほとんどは失敗します。

エントリーの根拠が崩れたときには躊躇なく損切りするようにしてください。