初心者にはおすすめしない「ナンピン」

ナンピンとは?

ナンピンとは、株式など相場における売買手法の一つです。現物株でも信用取引でも活用できます。

一般的に行われている「ナンピン買い」とは、買いポジション時に値段が下がってしまった時に、さらに買いポジションを増やして平均の買値を下げようとする売買方法のことです。

その後の株価が上昇すればお得となりますが、下落すれば含み損が大きくなり、取り返しのつかないことにもなりかねません。

「ナンピン買い」のほかに、「ナンピン売り」というのもあります。

ナンピン売りは、売りポジション時に値段が上がってしまった時に、更に売りポジションを増やして平均の売値を上げようとする売買方法です。

ナンピン買いには下落リスクを抑える効果

ナンピン買いが効果を発揮するのは、価格が一時的に下落している相場です。

なぜナンピン買いをするのかと言えば、買ったあとで価格が下がった時、さらに買い増すことで、買いポジションの平均単価を下げることができるからです。

1ドル100円で購入したとします。それが98円まで下がってしまった場合、2円上がらないと含み損は消えません。そこで、最初に購入したときと同じ数量を98円で購入すれば、平均取得価格は99円となります。

このように「ナンピン買い」平均取得価格を引き下げるのに役立ちます。平均単価が下がることで、その後の上げ幅が少なくても利益が出る、もしくは軽微な損失で処分する等が可能となります。

しかしその代償として、もし相場がそのまま下がり続けて、戻らなかった場合には損失が膨らむ、という大きなリスクを同時に抱えることになります。

ナンピン手法について

ナンピンは漢字で、「難平」(難を平らにする)と書き、江戸時代から米商人の間で使われてきました。損失を後回しにする 愚か者・身の程知らず という意味合いがあり、どうやら昔からあまり良いイメージは持たれていなかったようです。

レート(価格)が上昇すれば損失を補うことができるのがメリットですが、逆にナンピン買いの後もレート(価格)が値下がりすると、投資家は傷口を広げることになってしまいます。

ナンピンに向いているのはレンジ相場です。レンジ相場は一定の値幅で上がったり下がったりを繰り返すからです。

ただし、ナンピン買いは、間違った使い方をするとあっという間に資金を溶かしてしまいます。

  • 場当たり的にナンピン買いする
  • 損切り位置を変える
  • ナンピンするたびに株数を倍増する

初心者が陥りやすい失敗が、このナンピンでもあります。ナンピンは損切りしないので、雪だるま式に 含み損が増える可能性があります。

不用意にナンピンすれば証拠金維持率を圧迫することにもなり、いつのまにか強制ロスカットの対象にもなりかねません。

ですので、初心者はナンピン買いをすべきではありません

ナンピン買いはリスクが高いので、安易にはオススメできないものです。

強制ロスカットの危険性

とくに、FXで取引するナンピン手法はあまりお勧めできません。

株式投資の場合、たとえ株価が下落し損失が膨らんだとしても、そのまま保有することが可能です。

ところが、FXではレバレッジが効くので、口座の資金量を超えてナンピンを繰り返せるから、危険性がより高まるということが言えます。

場合によっては強制ロスカットで資金を飛ばし、最悪のケースとしては破産するほどの借金を抱えてしまう可能性もあります。

ナンピンとマーチンゲール手法

マーチンゲール法とは古くからあるギャンブルの手法で、負けた時にはゲームの賭け金を倍にして賭けることで負け分を全て取り返す、理論上100%勝てるといわれる手法です。

このやり方であれば、負けたら負けた分だけ掛け金が高額になる一方で、1回勝つことができれば損失の全額を取り返せるという理屈です。

ただし、最悪の場合には資金が続かず、持っている資産が吹き飛んでしまう可能性があります。

ナンピンはうまく活用すれば損失を抑えることができますが、マーチンゲールは勝たなければいつか退場に追い込まれるという、さらにハイリスク・ハイリターンの投資法です。

計画的なナンピンはアリ(有り)

ナンピンは、計画的にポジションを積み増すには有効な方法です。

長期投資で、時間を味方につければ「ナンピン買い」も恐くなくなります。

(ナンピン買いをしてもいい条件)

  • 中長期での投資を計画している
  • 株価の下落が一時的な現象だと予想できる

なので、ナンピン自体は使い方によっては有効だということです。 

前提として、しっかりとした『資金管理』と確固たる『取引ルール』があってはじめて使える手法です。

買い増す資金が続かないと失敗に終わる可能性が大きいですし、買値に戻るまでに時間がかかるようなら、投資資金を寝かすことになります。

損切りを含め、計画どおりに実践できるかどうか、が課題です。

含み損が出たら、ナンピンせずに損切り!

ナンピンが有効だというのは分かりますが、含み損が出たら、ナンピンせずに損切りする方が効率的です。

損切りすることで、ポジションを一度精算し、気持ちもリセットすることが出来ます。

自分のエントリーが間違っていたのであれば損切りして、あらためて入り直した方が、より有利な立場でポジションを持てる可能性が高まるというものです。

と言うのも、上昇していたレートが下がり始めた時に“どこまで下がるか”は正直、誰にも分からないからです。どこまで下がるか分からないポジションを持ち続けることはあとで大きなリスクになるので、一度売って次のトレードに備えた方が良いと考えます。

少なくとも買値から2割以上下落している場合、買値にまで戻るには時間がかかることが想定されます。

本来、価格が下がった局面でやるべきことは、ナンピン買いではなく損切りだと思います。

売り時を探るために相場に張り付くよりも、損切りして新たなポジションに切り替えたほうが良いことが多いような気がします。

ですので、いったん下降トレンドに入ったものを買い増しする必要はありません。再び上昇トレンドに入ったのを確認したときに、また買い戻せばいいのです。

自分の思惑が外れた時点で、すぐに損切り(ストップロス)すべきです。

なお、どのタイミングで損切りをするのかは、あらかじめマイルールを設定しておくのがおすすめです。

ナンピンを戦略的に使う方法

「ナンピン買い」はハイリスク・ハイリターンになりがちな手法であり、もし実戦で使いたいのであれば、余裕を持って計画的に取り組む必要があります。

  1. 株価の下落が一時的なものか見極める
  2. ナンピン買いするなら何回までするか、決めておく

といったことが最低限必要です。

できれば、損切り(ロスカット)のタイミングも事前に決めておきたいポイントではあります。

「何の計画性もないナンピン」では、間違いなく、いつか大怪我をしてしまいます。

ナンピン買いが失敗しやすい理由としては、

  • ナンピン後の平均取得単価をレート(価格)が超えないことが多い
  • ナンピン買い増すごとに、より回復しづらくなる可能性がある

といった点があげられます。

ですので、手法自体に欠陥があるわけではありません。

証券会社や銀行で金融商品を売る営業マンは、このナンピンが大好きです。

また、ナンピンやマーチンゲールは、自動売買などのEAにもよく使われている手法です。

FX上級者ほど、このナンピンを上手く使って多くの利益を上げ、損失を少なくしているのは事実です。

ナンピンには豊富な資金相場の理解力の両方が必要となってきます。長期的な相場の予測ができないうちは、損失を広げる可能性が高いのでナンピン買いはおすすめできません。

ですので、実際にナンピンの売買手法を使える人は限られてくることは確かです。

自信がもてない人は、ナンピンよりも損切りするようにしましょう。それでも十分に対応は可能です。