
通貨について
通貨とは世の中の流通手段・支払い手段として利用されている「流通貨幣」のことで、商品やサービスの価値を表します。「通貨」は発行する国家もしくは、その地の統治主体の信用によって価値が変動しています。
為替相場(為替レート)は、外国為替市場において異なる通貨が交換(売買)されるときの交換比率のことです。
最もメジャーなのは円・ドル相場ですがこのほかにも様々な通貨の組み合わせによる相場が存在します。
為替相場が変動相場制を採用していれば、価格(レート)は市場における需要と供給のバランスによって決まります。これは、物やサービスの価格が決まるのと同じ原理です。
韓国が通貨危機に陥る懸念
韓国が通貨危機に陥る懸念が高まっています。
通貨危機とは、債務返済能力への懸念等からある国の通貨の対外的価値が急激に下落したり、経済活動に深刻な影響が及ぶ状況のことを言います。
現在、日韓関係の悪化にともない、韓国ウォンの下落が止まらない状況となっています。
韓国ウォンの急落によって、アジア通貨危機、リーマン・ショックに続く3度目の韓国通貨危機が起きてしまわないか心配されています。
1998年にアジア通貨危機が起こりましたが、その前年、韓国はデフォルト寸前に陥りIMFの管理下に置かれることになりました。また、2008年9月のリーマン・ショック後にもウォンが大幅下落し、外貨の需給関係がひっ迫する事態に追い込まれています。
もし通貨危機が起きれば、今の経済は世界中がつながっているので、韓国経済にとって打撃となるだけでなく、その影響が世界経済全体に拡がってしまうことも懸念されます。
通貨の特徴
FX取引を始めるときには、通貨ペアの選択が大事になってきます。
そこで、世界の主要通貨の特徴を知っておくことも重要です。
【通貨の主な特徴】
米ドル(USD)・・・アメリカ合衆国
- 世界の基軸通貨
- アメリカの政治・経済動向が金融市場に大きな影響を与えるため、世界中が注目
- 情報量が多く、判断がしやすいため、はじめての方にも取引しやすい
ユーロ(EUR)・・・EU(欧州連合)加盟国
- 米ドルに次いで取引量が多い
- イギリスを除くEU主要国の統一通貨
- ECBの金融政策とドイツの経済動向に注目
豪ドル(AUD)・・・オーストラリア
- 天然資源に恵まれた資源国通貨
- 投資家に人気、高金利通貨の代表格
- 為替相場の値動きが比較的大きい
- 資源価格と中国の経済動向に注目
ニュージーランドドル(NZD)・・・ニュージーランド
- 豪ドル同様に、高金利で注目
- 為替相場の値動きが比較的大きい
- (経済的に密接な関係を持つ)豪ドルと近い動きをする傾向がある
- 中国の影響も要注意
英ポンド(GBP)・・・イギリス
- かつての基軸通貨
- 米ドル・ユーロ・円に次いで世界で4番目に取引量が多い
- 対ユーロとの取引量が大きい通貨
- 投機の対象になりやすく、為替相場の値動きが比較的大きい
カナダドル(CAD)・・・カナダ
- 鉱物資源に恵まれた資源国通貨
- 財政の健全さから、安定的な通貨といわれる
- (経済的に密接な関係を持つ)アメリカと近い動きをする傾向がある
- 原油価格の値動きに左右されやすい
南アフリカランド(ZAR)・・・南アフリカ
- 鉱物資源に恵まれた資源国通貨
- 高金利が魅力的、日本でも人気
- 新興国通貨のため、ハイリスク
- 市場流動性が低く、為替相場の値動きが大きい
- 世界景気と金相場の動向に左右されやすい
トルコリラ(TRY)・・・トルコ
- 高金利
- 為替相場の値動きが大きい
メキシコペソ(MXN)・・・メキシコ
- 鉱物資源に恵まれた資源国通貨
- (経済的に密接な関係を持つ)アメリカの影響を受けやすい
香港ドル(HKD)・・・香港
- 米ドルペッグ制(連動相場制)を採用(米ドルと連動)
- 米ドルに対し一定の為替レートを維持)
- (経済的に密接な関係を持つ)アメリカや中国の影響を受けやすい
スイスフラン(CHF)・・・スイス
- 永世中立国スイスの流通通貨
- 有事に買われやすい安全通貨
- 金利は低めだが、為替相場の値動きは安定
仮想通貨について
最近は現物の通貨以外に、仮想通貨が人気となっており、仮想通貨に関するニュースも増えています。
とくに2017年、ビットコインをはじめとする多くの「仮想通貨」が大きく値上がりしたことで一気に世間の注目を集めました。
億万長者を意味する億り人(おくりびと)まで生み出したのが仮想通貨です。
だからといって、仮想通貨が必ずしも儲かるわけではありません。2017年より以前に仮想通貨を買っていたら大きな儲けになっていた可能性はあるでしょう。
実際には2018年に入ると、多くの仮想通貨が値下がりしています。
仮想通貨はもともと、より安く信頼のおける「送金」を行うための仕組みとして設計されたものです。
本来、金銭的な価値を持つモノ(資産)は、保有者にどのようなメリットをもたらすのかによって、その価値が決まります。
ところが仮想通貨の価格は、いまのところ値上がりしそうだからという投資目的で仮想通貨を買っている人たちの期待によって支えられている側面が強いと言わざるを得ません。
仮想通貨は1,000種類以上あると言われていますが、「仮想通貨」の経済的な価値を評価する基準はいまだ定まっていないというのが現状です。
通貨ペアの選び方
FXでは取引する際に通貨ペアを選ぶ必要があります。「通貨ペア」とは、実際の取引で売買する二国間の通貨のことです。
ペアの選び方としては、メジャー通貨同士を組み合わせた通貨ペアは相場が安定しており、リスクを抑えた取引ができるのでFX初心者にもおすすめです。
メジャー通貨とは取引流通量の多い通貨を意味し、米ドル・ユーロ・日本円など先進国の通貨のことです。
これらは、
- 情報が入手しやすい
- 相場が安定している
というメリットがあります。
デメリットを挙げるとすれば、
- 相場の値動きが小さいので大きなリターンが見込めない
- スワップポイント目当てで取引したい人には不向き
だということです。
マイナー通貨は取引量が少ない通貨を意味し、南アフリカランド・トルコリラ・メキシコペソなど新興国の通貨のことを言います。
マイナー通貨は、ハイリスクハイリターンの上級者向け通貨ということが言えるかと思います。
トレードスタイル別にみれば、
- 「為替差益」でみるオススメの通貨ペア:米ドル/円(USD/JPY)ユーロ/円(EUR/JPY)
- 「スワップ運用」でみるオススメの通貨ペア:豪ドル/円(AUD/JPY)NZドル/円(NZD/JPY)トルコリラ/円(TRY/JPY)南アフリカランド/円(ZAR/JPY)
といった感じでしょうか。
いずれにしても、通貨ペアの選択は利益に直結しますので、慎重に選択するのが良いと思います。