「フィボナッチリトレースメント」
フィボナッチリトレースメント
フィボナッチ・リトレースメント(Fibonacci Retracement)は、テクニカル分析の手法の一つで、価格が一定のトレンドを形成した後に、そのトレンドの一部を戻した際に、戻り具合を特定するために用いられるツールです。
これは、フィボナッチ数列に基づいて価格のサポートやレジスタンスの水準を推定するものです。
具体的には、以下の手順でフィボナッチ・リトレースメントを適用します。
トレンドの選択
フィボナッチ・リトレースメントを適用する前に、対象となるトレンドを選択します。一般的には、上昇トレンドや下降トレンドが対象となります。
スイングハイとスイングローの特定
選択したトレンド内で、スイングハイ(価格が上昇したピーク)とスイングロー(価格が下降した最低点)を特定します。
フィボナッチ・リトレースメントの適用
スイングハイからスイングローまでの価格の変動に対して、フィボナッチ数列の割合(主に38.2%、50.0%、61.8%がよく使われます)を適用します。これにより、価格が戻りつつある水準が得られます。
以下は、主に使用されるフィボナッチ・リトレースメントの水準です。
38.2%
トレンドの途中での一時的な調整が頻繁に発生することがあります。
50.0%
半分の戻り具合を表し、重要なサポートまたはレジスタンスの水準と見なされることがあります。
61.8%
トレンドの一部が完全に戻ったと見なされ、重要なサポートまたはレジスタンスの水準となり得ます。
これらの水準は、トレンドの途中で価格がどの程度戻るかを見積もるのに役立ちます。
トレーダーや投資家はこれらの水準を組み合わせて、エントリーやイグジットのタイミングを見つけるのに利用することがあります。
ただし、フィボナッチ・リトレースメントも他のテクニカル分析と同様に、単独で使用する際には注意が必要です。
市場の変動には様々な要因が影響するため、他の分析手法と併用して利用されることが一般的です。